内蔵ハードディスクよ,お前もか!

やっとLinkStationからデータを回収できたと喜んでいたら,その直後,新たな問題に気づいて愕然としてしまいました。
データ回収作業に使ったPCの内蔵ハードディスクにアクセスできなくなっていたのです。正確には,内蔵ハードディスクの複数のパーティションのうち,データ保存用に確保していた約30GBのパーティション(Dドライブ)へのアクセスが不能になっていました。
システムパーティション(Cドライブ)は問題ありませんでしたのでPCは起動しました。しかし,Dドライブにアクセスしようとすると,
untitled.bmp

このようにメッセージが表示され,格納されていたデータを読み出すことができなくなっていたのです。
LinkStationにアクセスできなくなったときほどの衝撃はないにしても,データ回収作業が原因であることは間違いないので,今度は自分の責任であり,その点でのショックは大きいものがありました。迂闊でした。「ミイラ取りがミイラ」のような状況です。いや,この場合は,「ミイラ取りには成功したが,自分がミイラになった」でしょうか。とにかく,ミイラから生き返らなければなりませんでした。

LinkStationに格納されているデータをPCの内蔵ハードディスクに回収(コピー)しょうとしたとき,コピー先としてまず最初にDドライブを選びました。その際,Dドライブのプロパティをいじったのですが,どうやらそのとき致命的なことをしていたようです。それが何なのかは未だによくわかりませんが,どこをどう設定しなおしても復旧させることはできませんでした。仕方なくCドライブにデータを回収しました。

またしてもインターネットからの情報集めですもうやだ〜(悲しい顔)

問題のDドライブのファイルシステムはNTFSですし,Windowsでなんとかなりそうですから,LinkStationのときよりは楽かなぁ~と考えていました。しかし甘かった。
いろんなツールを試してみましたが,ほとんどうまくいきませんでした。

1.データ復旧R for NTFS
http://taroemon2007.web.fc2.com/

2.Recuva
http://www.recuva.com/
http://www.forest.impress.co.jp/article/2007/08/21/recuva.html

3.FINALDATA8.0
http://www.finaldata.jp/

すべてデータ復元ソフトです。一応使ってはみましたが,これらには最初からあまり期待していませんでした。理由は,Dドライブのデータを(誤って)消去したわけではないからです。また,無意識に消去のコマンドを送っていたとしても,ギガレベルのデータを消去するには相応の時間が必要となるはずです。しかしPCがそのような挙動を示してはいませんでした。一瞬のうちにアクセス不能に陥っていました。
なお,データ復元の手順やフリーのツールに関しては,次のサイトが参考になるかと思います。

http://www.cybernetic-survival.net/salv.htm

ここでデータ復元ソフトはあきらめて,別の方法を探りました。
その結果,2つの方法に絞りました。

方法1.ディスクイメージを作成してそれを他のハードディスクにセーブする
方法2.パーティションテーブルを修正する

方法1については,次のようなイメージ作成ソフトを使うことが考えられます。

4.SUOERウルトラISO
http://www.intercom.co.jp/iso/

この他,LinuxのDDコマンドを使ってもよいでしょう。次のサイトが参考になりました。

5.http://d.hatena.ne.jp/kokutoto/20080525/p1
6.http://www.misao.gr.jp/~mitsuka/hiki/?%D6%E0%BD%F7%A4%B0%A4%CB%A4%E7%CB%DC+-+HDD%A5%C7%A1%BC%A5%BF%B5%DF%BD%D0

いずれにしても,数十GBのパーティションからイメージを作成することになりますので,20~30時間を覚悟する必要があるとのことです。そのためこの方法1を後回しにしました。

方法2にはかなり期待していました。パーティションテーブルを壊してしまったのなら瞬間的にDドライブにアクセス不能に陥ったのもうなずけます。
ただし,パーティションテーブルについてあまり理解しているわけではなく,今回勉強しながらの復旧作業でした。

7.http://journal.mycom.co.jp/news/2003/11/10/16.html

このサイトには,「gpart」というツールが紹介されています。チャレンジしてみましたが,問題のパーティション情報が得られず,途中で諦めざるを得ませんでした。

8.http://lets-go.hp.infoseek.co.jp/testdisk1.html

「TestDisk」です。これは超強力です。結果的にこのツールに救われました。このツールについてはいろいろなサイトで説明されています。中でも上記のサイトにはかなり分かりやすく丁寧な説明があります。
ここの説明に従って作業しました。
図15の表示からWriteを選び,Yキーを押すときにはさすがに緊張しました。
システムパーティションであるCドライブまでアクセスできなくなる危険性もありましたから。
幸いシステムパーティションを破壊するようなことはありませんでしたが,Dドライブには相変わらずアクセスできませんでした。

途方に暮れました。

しかし・・・図18を見たとき,ハッひらめきとしました。
同じ現象です。
これ以下に書いてあることは半分以上理解できていませんが,とにかくわらをもすがる気持ちで,説明の通り慎重に作業を進めました。
おどろいたのは,図28のDump表示のところです。
ブートセクタのオリジナルとバックアップの情報が表示されたのですが,なんとオリジナルは0(ゼロ)で埋まっていました^^;
記事には「本当にブートセクタが壊れていて、バックアップセクタが正しいということを見極めることが必要です」とありますが,選択の余地はありません。
図24にて[Backup BS]を選び,バックアップでオリジナルを上書きしました。
その後,マイコンピュータを確認すると,Dドライブが認識されていましたexclamation
見事に復活していました。

「TestDisk」の機能もさることながら,ブートセクタのバックアップを自動的に生成するNTFSにも感心しました。おかげでデータ回収業者のお世話にならずにすんだのですから。
また,Linuxについても考えさせられました。データ回収にすごい力を発揮しますが,それとともにパーティションを簡単に壊すような力も秘めています。Windowsに比べて,ユーザが入り込める領域は広くて深いですが,素人が安易に手を出すと危ないOSですね。

LinkStaionのことも含めて,今回,ハードディスクのトラブル対応には相当な時間を費やしました。かなり勉強になりましたが,会社の儲けに繋がっていないのが辛いところです。出費を抑えただけよしとします手(チョキ)

教訓: データのバックアップ,しっかりやりましょうexclamation×2

LS-W1.0TGL/R1ダウン #7 –The End–

KNOPPIXを使ってハードディスクからファイルを救出する方法については,多くのサイトに記載されています。

10http://www15.big.or.jp/%7Eyamamori/sun/rescue/

CD-ROM起動でハードディスクからファイルを救出する方法が丁寧に記載されています。
このサイトの記事は,「あるシステム(例えばWindows, Linux, FreeBSD, Solarisなど)がトラブルを起こして起動しなくなり,そのシステムが管理しているハードディスクに格納されているファイルが読めなくなってしまった」というシチュエーションを想定して書かれたようです。
色々調べた結果から,どうやらLinkStationのシステムはLinuxであろうと推定していましたので,ここの記載内容は非常に参考になりました。
特に,「KNOPPIXを使う方法」を熟読しました。
基本的には,この記載の通りで問題のハードディスクにマウントできました。

11http://blog.livedoor.jp/fanfuncargo/

このサイトも参考になりました。
なんと言ってもハックのターゲットがLS-W1.0TGL/R1ですから,ズバリですexclamation
記事が完結していないこともあって,はっきりはわかりませんが,ハードディスクの交換を目的とした作業について書かれており,少なくともデータの回収に関しては言及されていません。
それでも,fdiskの結果にはかなり納得しました。Linuxで間違いないと確信しました。
fdiskの結果は,次のサイトにも記載されています。

12http://www.yamasita.jp/linkstation/0607/060726.html

この他,KNOPPIXやLinuxに関するサイトを参照しながら作業しました。この種のサイトはいっぱいあるのでここでは省略します。Linuxはずーっと昔にちょこーっとかじった程度なので今回かなり苦労しました。
次のサイトには同じように四苦八苦した方の書き込みが記載されています。この方はうまくいかなかったのかもしれません。

13http://www.yamasita.jp/BBS/4836.html

試行錯誤はありましたけれど,結局1011に従って作業することによって問題のハードディスクをマウントすることができ,データを読み出すことができました。
回収はもうダメかとあきらめていたファイルの一覧がモニタに表示されたときは,感動しました。「お前たち,生きていたんだなぁ~,信じてたよ~」みたいな気分でした(笑
苦労しましたがハッピーエンドでよかったです。
出費は,IDE/SATA⇔USB2.0変換ケーブル分だけです。数十万円の出費から比べれば微々たるものです。本当に助かりました。

それにしても,メーカーにはもうちょっとしっかり対応してもらいたいですね。
ファームウェアのアップデートがあんなに簡単に失敗するかと思うと,これからはちょっと怖くて安易にはできそうにありません。
さらに問題なのが,システムが起動しないからといって単純に商品交換にする態度です。その対応だとデータは永久に戻ってきません。今回のように素人でもデータを回収できるのですから,メーカでなんとかしてもらいたいです。データ領域はそのままでboot領域をクリーニングすればシステム全体が復旧するはずですし。

LS-W1.0TGL/R1ダウンの顛末は以上です。

ところで,この復旧作業の途中で,別の新たなトラブルに見舞われました。
その話は後日に。

LS-W1.0TGL/R1ダウン #6

まずはLinuxマシンを用意しなければなりませんでした。
あいにく手元にLinuxマシンはありませんでしたので,KNOPPIXを使うことにしました。改めて説明するまでもないかもしれませんが,KNOPPIXは,1枚のCD-ROMから起動することができるLinuxのディストリビューションです。これがなかったら,最終的にうまくデータを回収することができたかどうかわかりません。もしできたとしても,もっと時間と労力をかける必要があったでしょう。
KNOPPIXは,本当にすばらしいです。これを開発したKlaus Knopper氏に心から感謝したいと思います。

8http://unit.aist.go.jp/itri/knoppix/

このKNOPPIXの日本語HPからKNOPPIX日本語版5.1.1CD(isoイメージ)をダウンロードして,これをCD-Rメディアに書き込みました。
このCDでPCをブートすれば,あっと言う間にLinuxマシンのできあがりです。
ここまでは比較的簡単でした。
ハードルを一つクリアです。

次は,LinkStaionに内蔵されているハードディスクをLinuxマシンに接続しなければなりません。

9http://qa.buffalo.jp/eservice/esupport/consumer/esupport.asp?searchtype=normal&id=BUF16026

内蔵ハードディスクの交換方法が示されています。
それにしてもメーカのHPにこんな作業手順が書いてあるなんてちょっと驚きです。
まるでユーザが交換しなければならないケースが多いみたいです(笑

ハードディスクを取り出してみると,インターフェースはシリアルATAです。
ここで困ったことが。
用意したPCにはシリアルATAインターフェースがありません。
そこで,シリアルATA→USB変換アダプタを購入することにしました。
KNOPPIXがUSB機器を認識してくれるのか一抹の不安がありましたが,仕方ありません。
何がよいのかわかりませんでしたので,勘を頼りに,グリーンハウスのIDE/SATA⇔USB2.0変換ケーブルを購入しました。

http://www.green-house.co.jp/products/storage/adapter/ushd-idesa/index.html

この変換ケーブルを用いて,LinkStaionから取り出したハードディスクとPCとを接続してKNOPPIXを立ち上げると,デスクトップ上にUSB接続されたハードディスクを示すアイコンが表示されました。
KNOPPIXは,ターゲットのハードディスクを難なく認識しました。
これで問題解決かexclamation&question
しかし,甘くはありませんでしたバッド(下向き矢印)
そのアイコンをクリックすると,「マウントできません」とのエラーメッセージが表示され,ハードディスク内を見ることはできませんでした。

それから再びインターネット上から有用な情報を集める作業に取りかかりました。

LS-W1.0TGL/R1ダウン #5

こういうときこそ「インターネット&google」です。
本当に助かりました。

さすがに今回のトラブルをズバリ解消してくれる記事は見つかりませんでしたが,参考になるサイトはいくつかありました。
以下,参考にしたサイトをさらーっと示しますが,知識不足もあってこれらを集めるのにはかなりの時間を要しました。

1http://nagou.cocolog-nifty.com/haley/2007/12/acp_state_failu.html

ここには,LinkStaionのLS-GL &DHGLに対してファームウェアのアップデートができない場合の原因が書いてあります。

原因: ハードディスク内のファームウェア格納領域の不足

思い起こせば,確かに,LS-W1.0TGL/R1のファームウェアをアップデートしようとしたとき,最後の最後で「ACP_STATE_FAILURE」という表示とともに作業が失敗に終わっていました。
シリーズ違いですが,エラーメッセージからするとLS-W1.0TGL/R1でも原因は同じと考えられます。
これで今回のトラブルの原因の一つが明らかになりました。

で,ファームウェア格納領域(boot領域)をクリーニングすれば問題解決となります。
しかし,LinkStaionとPCをLANケーブルで直接接続してもLinkStaion内のハードディスクにはアクセス不能です。そもそもこれができたらデータ回収も可能なのですから,こんなに苦労はしていません。この時点でboot領域のクリーニングはできませんでした。
そこで,LinkStaionからハードディスクを取り外してLinuxマシンに接続する方法,またはLAN接続のまま特別なツールを用いる方法,のいずれかを試す必要がありました。
そのときLinux環境がないため,まずは後者にチャレンジしてみました。

2http://nagou.cocolog-nifty.com/haley/2007/12/tftp_d068.html

ここに書いてあるように,tftpd(tftpブート用サーバソフト)を用いてLinkStaionをtftpブートさせました。
なお,ブートにはinitrd.buffaloとUimage.buffaloが必要となります。
ブートに成功したら次はどうすればよいのか・・・…。
そこで,

3http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/hard/1214997992/49

ここの記載を参考にしました。
同じLinkStaionですし,症状も同じです。
期待が持てました。
しかし,ファームウェアのアップデートをするとやっぱり最後でエラーを返されてしまいました。
boot領域をクリーニングしていないからでしょう。

ここで2に戻って,acp_commander.jarを使ってみることにしました。
しかしこれもうまく行きませんでした。
たぶん,LinkStaionのipアドレスが正確ではなかったのでしょう。
また,この方法は失敗する可能性もあるらしいです。

その他に参考にしたサイトを追記します。

4http://www.mizutaakitoshi.com/LS-GL.html

このサイトには,上記の2と同様に,tftpブートについての説明があります。

5http://xeons.blog35.fc2.com/blog-entry-32.html

initrd.buffaloとUimage.buffaloを入手する際に必要なパスワード
について書かれています。あくまでも自己責任です。

7http://blog.goo.ne.jp/hgc1021/e/6dd4fe5e0d66ed55ec39e1434bd69d43

telnetでLinkStaionにログインする方法が記載されています。

ここで,LAN接続のままの復旧作業を諦めることにしました。
いよいよLinuxによるデータ回収作業に移ることにしました。

LS-W1.0TGL/R1ダウン #4

これは完全に故障です。
バッファローのサポートセンターに電話をしました。
しかし,症状を伝えるも原因はわからずじまいでした。
そもそもエラーコード(LED6回点滅)が普通じゃないのですから,サポートセンターの担当者もちんぷんかんぷん。
結局,修理センターに送って下さいとのことでした。
重要なデータを格納したままLinkStaionを宅配便に乗せることは非常に不安でしたが,仕方がありません。輸送中にハードディスクが物理的に破損しないことを祈りつつLinkStaionを修理センターへ送りました。

この時点でもまだ何とかなるだろうと思っていました。
ハードディスクは動いているようだし,異音もしていません。
「ハードディスクの物理的な故障ではなくて,ネットワーク回路や電源ユニットの故障じゃないの? 部品交換で復旧するかも・・・・・・」と都合よく考えていました。希望的観測です。

それから数日が経過して,修理センターから連絡がありました。
「ドライブユニットの故障を確認しました。LS-W1.0TGL/R1は生産を終了していますので,後継機であるLS-WH1.0TGL/R1に交換します。その場合,LS-W1.0TGL/R1は返却できません。格納データも戻せません」というような内容でした。

「はいそうですか」などと言えるわけありません。
一番大事なことはデータの回収です。
ドライブユニットの故障など,わかりきったことです。
原因を調査してその対策を施して欲しいから,リスクをおかしてまでLinkStaionを送っているのに・・・・・・。
エラーコードの意味やファームウェアのアップデートがうまくいかない理由についてバッファローは把握しているのでしょうか。
把握していてもアナウンスできない理由があるのでしょうか。

もうバッファローには頼ることができません。
修理センターにごねたところで埒が明かないと判断しました。
そのままLinkStaionを送り返してもらうことにしました。

LinkStaionが戻ってくる間,さてどうしたものかと思案を巡らしていました。
バッファローのHPには,ありがたい(?)ことに「データ復旧サービス情報のご紹介」があります。
http://buffalo.jp/shuri/shuri_menu3-4.html
専門業者に依頼すればまず間違いなくデータを回収してくれそうです。
が,そのサービス料金に愕然としました。特にRAIDは高いexclamation数十万円の出費を覚悟しなければなりません。
確かに,回収したいデータはそのくらいの価値は十分にあるのですが,何か腑に落ちません。
地元にもデータ回収業者がありましたので,そこに電話で問い合わせてみました。

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料金は良心的ですし,近所なのでLinkStaionの搬送も楽です。
でもやはり業者を使うのは最終手段にしようと思いました。
なぜなら,
「ハードディスクは物理的に壊れていない。そこにデータがあるのだから読み出せるはず」
と考えたからです。
と言うか,思いこみました(笑

そう思いこんだ後は,ひたすらインターネットで情報集めに取り組みました。

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