EDU

EDUとは,電子ドビーコントロールユニットの略だと記憶しています。
あるお客さんのところで,それが故障してしまいました。
比較的古い装置ということもあり,メーカはその修理をしないとのこと。
しかも新品ももうないらしいのです。
極めてまずい状況です。
この状況を打開するためには,
①ユニットを作る。
②機能的に同等のユニットを探し出す。
③ドビー本体ごと交換する。
④故障したユニットをどうにかして修理する。
のどれかを選択するしかありません。

④を依頼され,まずは不具合状況を確認しました。

ユニットにPCを接続してドビーパターンを入力することはできるようです。
また,出力状態もPCモニタに表示されるようですが,
複数のアクチュエータのうちの数個を駆動できていないようでした。
しかも,あるまとまった範囲のアクチュエータだけが動かないのです。
もし,マイコンからの信号に問題があるならば,
すべてのアクチュエータが動かなくなりそうです(確実にそうなるとは言い切れませんけれ
ど)。
となると一番怪しいのは出力段の回路では……。
それであってほしいなという希望的観測です。
修理しやすいからです。

ユニットを持ち帰り,筐体をばらして基板をチェックしました。
すると,ドライバICにダメージがあることを確認できました。
そのICを交換すれば不具合を解消できるかもしれません。
ということで,問題のICを基板から取り外したところ,
なんと基板の回路パターンにもダメージが。
作業の難易度が一気に上昇。
回路パターンを追いかけないといけなくなりました。
ショートやオープンが懸念されるからです。
ドライバICを交換しても,
正常に動作しないかもしれませんし,
そのICを故障させるかもしれません。
回路図がないため結構大変でした。
その基板はどうやら多層構造で,内層のパターンは見えません。
複雑でないことを祈るだけです。
どうにかこうにか,関係がありそうな範囲までのパターンを読んで,
ダメージを受けているパターンについてはジャンパ線で修復しました。
その後ICを交換して,納品しました。

結果,うまく動作しているようです。
どうぞ,そのまま安定的に動き続けてください。

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