クロスロールキャリアの電動化

織り上がった布を運搬する台車(キャリア)は機屋(はたや)さんの必需品です。
油圧ポンプによって上下するバケットが織機から布をクロスロールごとすくい取ります。
その後、作業者は台車を押して布を検反機まで運搬していきます。

一般的に売られている運搬台車では、「すくい取る」という仕様を満たすことができません。
専用の機械ですので、汎用品との入れ替えはほぼNGです。

多くの機屋さんが使っているキャリアがあります。
人気があったようです。
使い勝手がよかったのでしょうか。
でも、それは遠の昔に製造中止になっています。
パーツの供給もありません。
鉄製パーツが折れた、曲がったといった故障ならどうにか対応できますが、最も悩ましいのが油圧系です。
ポンプとシリンダーがすでに入手不能だからです。
大変困ります。
それらを製作するしかないのですが、(個人的に)難易度が高く一旦棚上げにしていました。
しかし、いつまでも放置しておくことはできず、油圧を放棄して電気に頼ることにしました。
構想〇〇年、ついに(ようやく?)仕上がりました。
プロトタイプとも言えますが、一応の完成です。

常々、「シンプル」を心がけていますので、見ればなんてことはないものです。
ですが、それなりにアイディアを籠めました。
最大の売りは、現場で改造できるようにしたこと。
キャリアを持って帰りたくないのです。重いのです。

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